ニコンの新しいレンズ「シースタイル」 両面非球面設計でハイカーブという難しさを解決

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 ニコンから先日新レンズが発表になりました。

その名は「ニコン シースタイル」

ニコンでは「シー(SEE)」と名前が付くレンズシリーズを完全オーダーメイドレンズの名称とし、これまで遠近両用の「シープラウド」や両面非球面オーダーレンズ「シーマックス」などニコンならではの高精度のレンズテクノロジーを用いた商品に使用してきました。

そして、この度あらたに「シースタイル」が誕生しました。

このレンズを一言で表すと、「カーブレンズでスタイルを壊さず、最高の見え具合を提供する」かな。

最近主流となっている非球面メガネレンズで、近視用のマイナスレンズの場合一般的にレンズカーブと言われるレンズの前面が1~3カーブという数値になっており、平面のガラス面のようにフラットになっています。

しかし、サングラスや欧米のメガネフレームなどはデザイン性からフレームの前面カーブが非常に深くなっており、5~8カーブという商品も多くなっています。

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この時、レンズの光学的性能は非球面レンズの方がいいのですが、これを無理にカーブの強いフレームに入れると逆に無理な力がレンズに掛かり、性能を落としてしまいます。

この問題をニコンが培った光学解析技術が解決したわけです。

美しいスタイルと最高の光学性能の合体です

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注文方法も通常とは違います。

フレームに合わせた設計を行う為、フレームの形状(レンズの形)をフレーム形状計測器で測定し、メーカーにパソコンで送信します。

その時、左右の度数はもちろん、掛ける人の右目と左目の距離や位置をしています。

さらに、フレームの「そり角」を専用チャートで測定し、メーカーに送信します。

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この、そり角が重要でカーブがつくと見えにくくなる弊害を出来るだけ除去します。

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今回、友人が古着屋さんでアランミクリのメガネフレームを見つけたらしく、「このフレームに度数を入れてくれ!」と持ってきました。デザインが良いのでシルエットを崩さないようにとのご注文

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上から見ると、レンズ面が「キュ~」っと曲がっている(カーブが強い)のがわかるかと思います。

そこで、「シースタイル」の出番

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今回使用したレンズはニコンシースタイル4-B5

超高屈折(薄型)1.67素材で、レンズカーブを5カーブで製作。そり角8度で指定しました。

度数もかなり強い方です。

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これが出来たレンズ。カーブが付くとレンズの厚みがが厚くなるのですが、厚みも両面非球面設計により薄くなっています。

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こうすると、カーブが付いているのがわかりやすいと思います。

なかなかわかりにくいかとは思いますが、カーブ付きのレンズで両面非球面。しかも、見え方まで補正して作ってくれるというのはかなり画期的なレンズです。

お客さまのお渡し後の意見がちょっと楽しみです

 

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